2022 VOL.80 NO.3
巻頭言
・政策課題としてのバイオテクノロジー(原山優子)
解説
・ジアゾ基含有トリペプチド:アラゾぺプチンの全生合成機構(川合誠司・勝山陽平・大西康夫)
要旨
抗がん活性を持つアミノ酸、6-diazo-5-oxo-L-norleucine(DON)の生合成機構を解明し、DONを含むトリペプチド、alazopeptinの生合成からキャリアタンパク質と加水分解酵素から構成されるペプチド結合形成機構を見いだした。
・高分解能質量分析計による酸化リン脂質の構造ライブラリー作成および可視化技術(松岡悠太)
要旨
筆者らは、最先端質量分析計を駆使し、様々な疾患進展に関与する「酸化リン脂質」の構造ライブラリーおよび可視化技術を開発した。本稿では、本技術開発の概要および疾患モデル動物への応用について紹介する。
トピックス
・リコピンの制御性T細胞誘導促進による食物アレルギーの抑制(髙木智久・後田ちひろ・福家暢夫・内藤裕二)
・好熱性酢酸生成菌による合成ガスからの高温アセトン発酵(中島田 豊・加藤淳也)
・パーム油残渣から単離した放線菌による高分子リグニンの分解(原 啓文)
・腸内細菌が腸管免疫を介して母乳抗体産生を誘導する(伊東加織・宇佐美克紀・古川睦実・野地智法)
・ダイズ根から分泌されるイソフラボンのイメージング(小野寺 武)
・ポリカーボネート樹脂の窒素肥料原料への活用(青木大輔・神谷岳洋)
・マウス前脳でのmRNA分解能低下が肥満を誘導する(山本 雅)
・コリネ型細菌の持つ特異な脂肪酸代謝とその応用(池田正人)
・シンクロトロン光を利用して育種した清酒酵母の多様な変異パターン(馬場嵩一朗・小林元太)
・コケ植物が乾燥から冠水までの水環境を広く感知する仕組み(坂田洋一・竹澤大輔)
・銅添加によるコリネ型細菌のグルタミン酸生産誘導(平沢 敬)
・ビフィズス菌を選択的に増殖させる次世代型プレバイオティクスの発見(平野里佳・栗原 新)
・新型コロナウイルスの細胞性免疫逃避メカニズム(應田涼太・春日優介・坐間のゆり・小林弘一)
バイオの窓
・単細胞な生き物たちが教えてくれること(笠井大輔)
産業と行政
食品ロスおよびリサイクルをめぐる情勢について(森 幸子)
特集
第5回バイオインダストリー奨励賞受賞業績
・疾患・創薬研究に資する生体を模倣した新たな神経筋共培養モデルの創製(清水一憲)
・植物資源の持続可能な利用を目指した接木技術の革新(野田口理孝)
・視線検出技術を利用した次世代型認知症検査法の開発(武田朱公)
・温度応答性高分子を用いたバイオ医薬品・治療用細胞の分離精製法の開発(長瀬健一)
未病社会とKISTECの機能性食品研究への挑戦(2)
・神奈川県の"国際食品機能性評価技術センター"事業の特徴(篠﨑文夏)
・機能性食品評価のための脳機能評価系導入と確立に向けて(嶋田耕育)
・血液を用いた未病評価システムの開発(野原正勝)
JBAニュース
バイオエンジニアリング研究会 小委員会活動準備イベント
・バイオエンジニアリング領域若手ダイナモ人財懇話会 第2回および第3回の開催を終えて(宮田雄一郎)
・宮田満のバイオ・アメイジング ~緊急対談:バイオのあの話題はこれからどうなる?!について
・2021年度全国バイオコミュニティ連絡会への改組と活動状況